最近よく外部の方達に、南部がハサミを持って仕事していると驚かれます。外部の方からは、もう現場には立っていないと勝手に思われていますが、一応現役です!
そんな私が最近あった、ちょっと感動したことを書いてみます。先日、高校に入学したばかりの女の子がお見えになりました。実はその女の子は、お母さんと一緒に小学生のころから来て頂いていて、nambuは初めてではないんですが、今回はお母さんと一緒ではなく初めて一人での来店でした。スタイルの相談をすると、「学校の校則があるので・・・」と無難に「あまり長さは変えずに軽くするような感じで・・・」まぁここまではいつもと一緒だったんですが。
カットをはじめていくと、少し照れたように、「あの・・・」 「んっ?」「あの・・・南部さんは、どうして美容師になったんですか!?」 「エッ・・・?」(いま、「南部さん」って言ったよね?)いつもはお母さんの言う通りで、恥ずかしいのか、照れくさいのか、
ほとんどしゃべらずにカットを終えるんですが、だから初めて「南部さん!」なんて・・・言われただけ一瞬女性を感じてしまい、びっくりしたんですが。
「私、雑誌の編集者になりたいんです!」 「・・・」「どうすれば、南部さんのように夢が叶うんですか・・・」 「エ-ッ!!」
高校生になったばかりで「編集者になりたい!」って自分の夢を持って、それがどうすればいいのか?を聞いてくることも凄いと思ったんですが、それ以上に、「こんな風に私の事を見ていたんだ?」ってことに感動してしまいました。いつもだまってお母さんに連れてこられて、お母さんの言う通りにおとなしくカットされているだけだと思っていた彼女は、この数年の間で、新たなお店を出したり、スタッフがどんどん増えていく私の姿を見て、それを自分なりに解釈して、彼女の中では、私が夢を掴んで行っているように見えていて。
今日初めてたった一人でここに来て、今まで思ってきたことをぶつけてみようと、きっと凄い勇気を振り絞って・・・そう考えるとちょっと感動してきて、カットしながら自分の拙い経験も踏まえて、いつも以上にいろんなことを話しました。自分が同じ歳くらいだった時のこと、それからどうして美容師になったか?若いころどんなに貧しかったとか、自分の解るかぎりの編集者のこととか。私が始めてSHIMAの代表として雑誌に掲載された時の編集者さんが、今は「しんびよう」という美容専門誌の編集長になり、本当に応援してもらっている事。そんな私の話を目をキラキラさせながら一生懸命聞いていました。今は長いお付き合いのお客様が多く、昔は若かったお客様も立派なお母さんだったりで、その子供たちも小、中学生になっていて、そんな子供たちをカットする機会もだんだん増え、それこそお腹のなかにいた子供が今年成人式だったりとか。ご結婚という素晴らしい門出に立ち会えたりとか。
お客様と一緒に歳を重ねていくなかで、「価値観を共有できて、生活の中にとけこめるような存在でいたい」と。
そんな願いを持ちながら仕事をしてきましたが、これから成長していくその子供達にとっては、やっぱり特別な、たった一人の「美容師」なんであって。もう一度自分達の存在、自分達が与える影響、私達が「こうありたい・・・」と思うだけでなく、
お客様が我々をどう見ているのか?お客様にとって我々がどんな存在なのか?そんなことを考えさせられました。
まだ子供にみえてもいろんなことを見ていて、そんな子供たちもやっぱり可愛くなりたくて、それだけじゃなくこのnambuで何かを感じてくれていて。結局、お客様の数だけストーリーはあって、それに応じて、それに応えられるだけの顔を持たなければいけなくて、やっぱり「特別な存在」でもなければいけない。
正直言って、私はキッズたちはまだまだ少ないのですが、大人の方達と同じように「一頭入魂!」で行きたいと思いました。