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vol 13 熱き戦い

2009.10.20 第5回 nambuニューカマー(新人)カットコンクールが開催されました。

上位入賞者も含めて、詳細は後日インフォメーション及び各店ブログでお知らせいたします。

日は1年生~3年生までのフリースタイルによる部門と、4年生対象のスタイル限定部門の2部門、総勢24名による、熱き戦いがありました。

毎年の事ですが、参加スタッフの連日連夜の練習、またそれを指導する講師の方々、本当にご苦労様でした。いつもながらnambuパワーはすごいなと感じる部分と、本当にアシスタント以下の将来が楽しみだと感じ、たくましささえ感じた次第です。

しかしながらまだまだ課題も多く、全てが良いだけではありません。代表である私は常に冷静に分析し、浮ついたお祭り気分だけではなく、将来のnambuに対してあえて苦言を呈する意味でも総評として感じたままを記させて頂きます。

今回で第5回目を迎えたわけですが、第1回目の優勝のWEST店安野さんを超えた人はいないのではないかと個人的には思います。

それはnambuがヘアーコンセプトとしている、「普遍のビューティー」「半歩先行く、時代を捉えたHAIR」から、徐々に「奇をてらったデザイン」が増えつつあるように思うからです。

もちろんフリースタイルなので、個人のデザインを尊重し、講師もなるべくそのデザインを具現化する為の指導をしているのは理解できますが、nambuではそれを求めている訳ではありませんし、重要視はしていません。

明日のnambuの「HIT HAIR」になるべくデザイン発信であってほしいのです。

料理を例に捉えるとわかりやすと思うのですが、1流と呼ばれるお店には、その店独自の何かがあるはずです。しかも誰もが流石と唸らせる何かがあります。料理なのか、塩梅なのか、器なのか、人なのか、接客なのか、全てを捉えて1流と判断されるのかは相手がいるので一概には言えないとは思いますが、お客様はそれらも含めて「フルコース」を要望されております。皆さんの発表したデザインは、時には時間が足りない、もしくは取り組みの遅さ故に、「前菜」程度しか楽しめなかったデザインもありました。「メイン」は美味しかったものの、前菜、デザートにストーリー性を感じないものもありました。もしくは確かに「フルコース」は頂いたものの、量が多すぎて飽きてしまう、また味の濃い薄いもあり、満腹感はあったもののそこに何か足りない物を感じてしまうもの。加えてあれもこれものオンパレードで逆に詰め込みすぎて丁度いい塩梅を過ぎてしまっているデザインもありました。

nambuは素材の良さを活かし、ベーシックを大事にしながら、枝葉の細かい部分のニュアンスも計算し、完成されたデザインをヘアーコンセプトの基本的考え方にしています。

常に現在の、未来のnambuのお客様の為に、直結、ご提案されるデザインでなければ意味がないと思っております。

入賞した方と、惜しくも入賞を逃した人の差は、本当に僅差でありますが、取り組みの速さと、完成度の違い、若干のセンスの良し悪しの差はあったかとは思います。

コンクールの存在意義は、もちろん優勝や上位を狙う為に練習を行うのは当たり前ですが、いい成績を取る事ばかりでなく、その為に自分達が考えて必要な練習をする事です。

美容師にとって最も大切な「技術を磨く」ことにこそ、意味があるものだと私は思います。

後になって振り返ると、自分の技術の未熟さ、ヘアーデザインを決めるに当たり迷いや、十分に時間を調整できていなかったり、もしかすると練習不足もあるかもしれません。それらの全てがいい意味で緊張感を持って真剣に練習した事がすごくいい経験になると思います。加えて、練習の最中には、指導係りや先輩から教えられる事も多々あり、それらを通して人間関係も学べる場であったと思います。

フリースタイル部門で優勝したHILLS店の山崎さん。レイヤー部門で優勝したnambu本店の吉田さん。また入賞したCENTRAL店鴈田さん、WEST店深田さん、nambu本店宮島さん。店舗賞WEST店の皆さん。本当におめでとうございます。私も過去の経緯を知っているだけに表彰状を読み上げながら涙が出てきました。今までの苦労は決して無駄ではなかったという事と、どんなに辛くても逃げないで続けてきた事の頑張り、姿勢が実り、きっと今まで以上の自信に繋がったと確信しております。

でも入賞できなかった方々も決して悲観する事はありません。私も決して器用な方ではありませんでしたが、今日、美容師として一人前になっています。私は残念ながら入賞できなかった人たちの「将来に乾杯したい」気持ちで一杯です。

入賞者は、その栄光を”心の糧”にして、その後も努力を惜しまずに頑張ればいいと思います。でも努力をしなければ、入賞は”下手な高学歴”と同じで、無用の長物にもなりかねません。逆に入賞を逃した方々は、悔しさをバネに努力すれば、必ず将来は開けてきます。

これからの皆様の活躍に大いに期待しております。次回以降は参加者、講師の方々にnambuの主旨、姿勢をご理解頂いた上で、今年度以上にフルコースのあり方に留意して取り組んで頂きたいと思います。

長い文章でしたが、総評に代えさせて頂きます。 nambu代表 南部 陽