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vol 51 ストーリー・メーキング

理想というのは必ず数値化できる。

 

よく自分も「いいお店」「凄いお店」「カッコイイお店」なんて表現をするけど、それらも突き詰めていくと全て数値化できる。売上か? いい仕事か? も コインの裏と表のようなもので、一方からしか景色を観てないから、相反するものに感じる人が殆どだけど、リーダーはその両側からの視点を持ち、時によってそれを使い分けていく能力が問われる。

 

売れるスタイリストや流行るお店の共通点は、その目標が共有され、スタッフに一体感があるからで、ではその目標は?「数値」であっても「理想のお店」であっても、スタッフが「楽しい」と思えればそれでいいと思う。最後はその「楽しい」と思える積み重ねが実績となって現れてくる。

 

美容師は技術という武器がある分、「自分がこのお客様を呼んでいる」という個人プレーに走りがちで、チームプレイという感覚を忘れやすい。でもお客様からすれば、来店された全ての時間に起こった事トータルで、「いいお店だった!」とか「感動した!」とか感じるのであって、だからnambuは、フロントは分業にして、サービスと技術両面を、それぞれが高めあい、そういう全てのスタッフを巻き込みながら、

「nambuってやっぱりいいよね!」って、お客様に言って頂くようなストーリーを

創り上げていくことが大切だと思う。

 

お客様がどんな気持ちでわざわざ予約をされて、初回はどんな気持ちで、三回目は何を望まれていて、10年以上来て頂いている方はどんな対応をされたら嬉しいのか?それを予約の電話の際、いらっしゃった受付で、シャンプーで、カットで、パーマで、カラーで・・・そしてスタイリストが完璧な仕事をして、完璧な仕上げの最後に見送る際の一言。

仕事なんてもしかしたら擬似恋愛のようなもので、「お客様(彼氏彼女)にどうしたら喜んでもらえるか?」「どうしたら、自分を好きになってもらえるか?」を毎日楽しんで行くものかとも考えてしまいます。

そこには当然その企みに(下心?)協力してもらうアシスタントやフロントの存在が必要で、自分なんかはこれからもっと様々に分業し、沢山の人間に関わってもらいながら、もっとお客様に擬似恋愛=感動して頂こうと企んでいます。

でも、その根本はSHIMA時代のOB DABの八木岡さんの言葉が身に染みる。「どんなお客様だろうと、何十年通われてようと、僕は毎日新鮮な気持ちで、

全力でカットしているよ」 「初めて会ったようなピュアな気持ち」 

「お互いがいつもドキドキし合える新鮮さ」 恋愛に似ている。

もちろん擬似恋愛だけれども、その想いがなくなったらお互いが新鮮でいられるはずがない。

ここにDABの全てと八木岡さんの全てが集約されていると思った。その行きついたところが、数カ月先まで毎日40人も有名顧客で埋まり、数十年間業界のトップに居る存在であり、DABのデザインやスタイルであるのだと思う。

他にも、プレイヤーとして頂点に立ちながらスタッフを引っ張っている方達はいるけど、きっとそういう「一言」をちゃんと伝えていて、そういう存在がいるってことは、やっぱり美容師の場合解りやすいよね。

 

 理想を数値化し、数値を分析管理し、それをもとに戦略立案する・・・

とまあ、ここまではセオリー通りで誰でもできる事なのだけど、その目標数値をいかにストーリーメーキング、もしくは擬似恋愛ゲームとして楽しむか?

「売上上げろ!」だの「単価アップ!」だの言ったって、美容師さんには解らないしつまらなくて、「お客様との擬似恋愛ゲーム」って表現の方がよっぽど面白そうじゃないかな?でもやっている事は一緒なのにね。そこの差・・・それはセンスやユーモアや人間性とかもあるかもしれないけど、いかにみんなを巻き込んで、楽しみながら盛り上がれるか? リーダーがスト―リを描き、役者一人一人の能力を引き出し、最大限のパフォーマンスを引き出せるか?技術やデザインも大事だけど、そこができるリーダーがいないチームやお店は絶対だめ!

nambuの幹部はそこをよく考えてほしい。

ある意味、私より頭の固い「若年寄り」が多いかもしれないなあとも思ってしまう。

よく「オンリーワンか?ナンバーワンか?」なんて議論があるけど、僕の場合はどちらでもいい。「オンリーワンだからだからこそナンバーワンになれるとも思うし、ナンバーワンだからこそ、オンリーワンにもなれると思う。いずれにしてもどちらもその延長線上にあるのは間違いないし、それを目指すべき!」と思っている。

また、どこにあるどんなタイプのサロンでさえ、認めて下さるお客様や、そこに共感できるスタッフが多くいる事がオンリーワンであり、ナンバーワンなのだから僕にとってはサロンのタイプや規模なんて関係なく、ましては他業種の方にも、凄い人は大勢いるし、そんな人達からまだまだ沢山勉強したいと、改めて年の瀬に感じています。

 2012年 nambuを支えて下さった多くのお客様。スタッフ。家族。関係業者様。そして今年出会える事が出来た、全ての方々に感謝申し上げます。